悪魔の王女と、魔獣の側近
昼休みになると、アイリは一人で城下町に出かけた。
本来なら、王女が護衛も付き添いも連れずに一人で出かけるなんて、ありえない。
アイリにとって城下町は地元の商店街の感覚で、完全に安心しきっていた。
(ディアが元気になりそうなもの……果物がいいかな)
そんな事を思いながら、人通りの多い繁華街の道を歩いていく。
果物なら城にあるだろうが、ディアにあげる物は自分で選んで買いたいのだ。
小柄なアイリは人混みの中に紛れてしまえば、王女だからといって目立つようなことはない。
青果店を目指して歩いていた、その時。
「あの、すみません」
突然、見知らぬ男がアイリに声をかけてきた。
アイリは足を止めて、その男を見る。
「道をお尋ねしたいのですが」
「……あ、観光客の方ですか?はい、いいですよ」
アイリは相手が観光客だと分かると立場上、急にビジネス口調になる。
アイリが王女だとは気付かずに道を尋ねる時点で、異世界から来た異種族だろう。
道案内しようと思って歩き始めた、その時。
突然、男がアイリの片腕を掴んだ。
「えっ!?」
アイリは驚くが、強い力で引っ張られて、人気のない裏路地まで連れて行かれた。
そこには男の仲間と思われる、さらに数人の男たちが待ち構えていた。
男の一人が、アイリを品定めするような目で見る。
「人の姿に化けているが、確かに魔獣だな。このまま連れていくぞ」
「え!?わ、私は……んぐっ!?」
アイリが言い終わる前に、口に布を巻かれて、両手首に拘束具を装着された。
これはもしや、王女を狙った誘拐!?とも思ったが、何かが違う。
男たちはアイリを『魔獣』だと断言していた。
(えっ!?なんで!?私、魔獣じゃない……)
アイリが戸惑っているうちに、待機していた輸送車の荷台に乗せられてしまった。
そのまま発車してしまい、どこかに運ばれていく。
完全に魔獣として扱われているようなので、相手は誘拐犯ではなく密猟者だろう。
このままでは、どこかに売り飛ばされてしまう。
本来なら、王女が護衛も付き添いも連れずに一人で出かけるなんて、ありえない。
アイリにとって城下町は地元の商店街の感覚で、完全に安心しきっていた。
(ディアが元気になりそうなもの……果物がいいかな)
そんな事を思いながら、人通りの多い繁華街の道を歩いていく。
果物なら城にあるだろうが、ディアにあげる物は自分で選んで買いたいのだ。
小柄なアイリは人混みの中に紛れてしまえば、王女だからといって目立つようなことはない。
青果店を目指して歩いていた、その時。
「あの、すみません」
突然、見知らぬ男がアイリに声をかけてきた。
アイリは足を止めて、その男を見る。
「道をお尋ねしたいのですが」
「……あ、観光客の方ですか?はい、いいですよ」
アイリは相手が観光客だと分かると立場上、急にビジネス口調になる。
アイリが王女だとは気付かずに道を尋ねる時点で、異世界から来た異種族だろう。
道案内しようと思って歩き始めた、その時。
突然、男がアイリの片腕を掴んだ。
「えっ!?」
アイリは驚くが、強い力で引っ張られて、人気のない裏路地まで連れて行かれた。
そこには男の仲間と思われる、さらに数人の男たちが待ち構えていた。
男の一人が、アイリを品定めするような目で見る。
「人の姿に化けているが、確かに魔獣だな。このまま連れていくぞ」
「え!?わ、私は……んぐっ!?」
アイリが言い終わる前に、口に布を巻かれて、両手首に拘束具を装着された。
これはもしや、王女を狙った誘拐!?とも思ったが、何かが違う。
男たちはアイリを『魔獣』だと断言していた。
(えっ!?なんで!?私、魔獣じゃない……)
アイリが戸惑っているうちに、待機していた輸送車の荷台に乗せられてしまった。
そのまま発車してしまい、どこかに運ばれていく。
完全に魔獣として扱われているようなので、相手は誘拐犯ではなく密猟者だろう。
このままでは、どこかに売り飛ばされてしまう。