悪魔の王女と、魔獣の側近
そのディアの変貌ぶりに、レイトも戸惑いを隠せない。
(これは、どういう事なんだろう?王女もディア先生も、二重人格?)
アイリの別人格、イリア。
ディアの別人格、アディ。
対峙している二人の姿はアイリとディアなのに、人格はイリアとアディ。
不可思議な状況ではあるが、今はまだ、その謎は解けない。
『アディ』の名を聞いたイリアは何かに気付いたようで、腕を組んで余裕を見せる。
「ふーん、なるほど、アディね。アンタ、自分が誰なのか分かって言ってるの?」
「何度も言わせるな。それに、貴様と約束をした覚えなどない」
イリアは問いかけによって、アディの本質を探り出している。
『もし私が戻らなければ、迎えに来てほしい』とアイリに告げた約束を、彼は覚えていない。
次にイリアは確認するように横目でエメラを見るが、澄ました顔で反応は返ってこない。
未だ疑問の解けないレイトがイリアに問いかける。
「王女、あの人は本当にディア先生なの?」
「そう、あれは本物のディアよ。あの女に記憶を封印されたのね」
アディは、ディアの別人格ではない。
魔獣としての本能と宿命のままに生きる『アディ』こそがディアの本質であり、本来の姿。
魔王と出会い、『ディア』という名前を与えられて、魔界で生きてきた現在までの記憶。
『ディア』として生きてきた記憶だけをエメラに封印されたのだ。
(これは、どういう事なんだろう?王女もディア先生も、二重人格?)
アイリの別人格、イリア。
ディアの別人格、アディ。
対峙している二人の姿はアイリとディアなのに、人格はイリアとアディ。
不可思議な状況ではあるが、今はまだ、その謎は解けない。
『アディ』の名を聞いたイリアは何かに気付いたようで、腕を組んで余裕を見せる。
「ふーん、なるほど、アディね。アンタ、自分が誰なのか分かって言ってるの?」
「何度も言わせるな。それに、貴様と約束をした覚えなどない」
イリアは問いかけによって、アディの本質を探り出している。
『もし私が戻らなければ、迎えに来てほしい』とアイリに告げた約束を、彼は覚えていない。
次にイリアは確認するように横目でエメラを見るが、澄ました顔で反応は返ってこない。
未だ疑問の解けないレイトがイリアに問いかける。
「王女、あの人は本当にディア先生なの?」
「そう、あれは本物のディアよ。あの女に記憶を封印されたのね」
アディは、ディアの別人格ではない。
魔獣としての本能と宿命のままに生きる『アディ』こそがディアの本質であり、本来の姿。
魔王と出会い、『ディア』という名前を与えられて、魔界で生きてきた現在までの記憶。
『ディア』として生きてきた記憶だけをエメラに封印されたのだ。