悪魔の王女と、魔獣の側近
アイリが目を覚ますと、そこは自室のベッドだった。
側に付き添っていた担当医の医師の女性が、アイリの目覚めに気付いた。
「アイリ様、お目覚めになりましたか!すぐにコラン様をお呼び致しますね」
医師は興奮気味に言うと、早足で部屋を出て行った。
一人になったアイリは、ぼーっとした意識の中で、夢の中でのイリアを思い出していた。
そして……ディアの事を思って、再び涙が込み上げそうになった時。
バァン!!
乱暴に扉を開けて入ってきたのは、コランだ。
同時に、彼のいつもの大声が部屋に響き渡る。
「アイリ、起きたか~~!!」
コランはベッドの前まで近寄ると、心配そうにアイリの顔を覗き込む。
「心配したぞ!!アイリお前、丸一日眠り続けてたんだぞ!もう大丈夫か?」
「そうだったの?ごめんね、お兄ちゃん」
大丈夫とは言い切れないが、イリアのおかげもあって心は折れていない。
するとコランは急に深刻な表情になった。
「話はレイトから聞いたぞ。……大変だったな」
コランなりにアイリを気遣って言葉が少なめだ。
コランだって、家族同然のディアに関してショックなのは間違いない。
代理魔王となってから気丈に振る舞うコランは、自身よりもアイリを心配する。
いつもらしくないコランを見ていると、アイリの方が胸が苦しくなる。
「お兄ちゃん、大丈夫。私、ディアを取り戻すから」
強気に断言したアイリを見て、逆にコランの赤い瞳が涙で潤んでくる。
「アイリ、お前、強くなったな……!!」
「ふふ、お兄ちゃんもね」
自然と出たアイリの笑顔に、コランはホッとする。
「とりあえず、今日は休め」
「うん。でも明日からは私も普通にするよ」
「そうか?一人じゃ大変だから、ディアが帰ってくるまでの代任の側近を手配しとくな!」
「ありがとう、お兄ちゃん」
本音を言えば、ディアの代わりなんて誰にも務まらないという複雑な思いだ。
だが一人では心細いのも確かだし、コランの配慮を無駄にはしたくない。
側に付き添っていた担当医の医師の女性が、アイリの目覚めに気付いた。
「アイリ様、お目覚めになりましたか!すぐにコラン様をお呼び致しますね」
医師は興奮気味に言うと、早足で部屋を出て行った。
一人になったアイリは、ぼーっとした意識の中で、夢の中でのイリアを思い出していた。
そして……ディアの事を思って、再び涙が込み上げそうになった時。
バァン!!
乱暴に扉を開けて入ってきたのは、コランだ。
同時に、彼のいつもの大声が部屋に響き渡る。
「アイリ、起きたか~~!!」
コランはベッドの前まで近寄ると、心配そうにアイリの顔を覗き込む。
「心配したぞ!!アイリお前、丸一日眠り続けてたんだぞ!もう大丈夫か?」
「そうだったの?ごめんね、お兄ちゃん」
大丈夫とは言い切れないが、イリアのおかげもあって心は折れていない。
するとコランは急に深刻な表情になった。
「話はレイトから聞いたぞ。……大変だったな」
コランなりにアイリを気遣って言葉が少なめだ。
コランだって、家族同然のディアに関してショックなのは間違いない。
代理魔王となってから気丈に振る舞うコランは、自身よりもアイリを心配する。
いつもらしくないコランを見ていると、アイリの方が胸が苦しくなる。
「お兄ちゃん、大丈夫。私、ディアを取り戻すから」
強気に断言したアイリを見て、逆にコランの赤い瞳が涙で潤んでくる。
「アイリ、お前、強くなったな……!!」
「ふふ、お兄ちゃんもね」
自然と出たアイリの笑顔に、コランはホッとする。
「とりあえず、今日は休め」
「うん。でも明日からは私も普通にするよ」
「そうか?一人じゃ大変だから、ディアが帰ってくるまでの代任の側近を手配しとくな!」
「ありがとう、お兄ちゃん」
本音を言えば、ディアの代わりなんて誰にも務まらないという複雑な思いだ。
だが一人では心細いのも確かだし、コランの配慮を無駄にはしたくない。