悪魔の王女と、魔獣の側近
それから部屋の明かりを消して、二人は同じベッド、同じ布団で並んで寝る。
静かになった暗闇の中で、しばらくすると真菜は気付いた。
……アイリが震えている事に。泣いているのだろう。
真菜は、震えるアイリを包み込むように抱きしめた。
「真菜ちゃん……ディア、帰ってくるかな……」
「アイリちゃん、大丈夫。大丈夫だから。絶対に帰ってくるよ」
それは根拠のない励ましではない。真菜には確信があって言っている。
今になって不安と悲しみに襲われたアイリは、流れる涙を止めることができない。
「エメラさんはディアと同じ魔獣だし、私よりも大人だし……勝てるかな……」
自分とエメラを比べてしまい、急に弱気な発言をするアイリ。
今、ここにイリアがいたら一喝していたに違いない。
そしてアイリが一番、恐れている不安を口にする。
「今ごろ、ディアは……エメラさんと夜を過ごして……」
「アイリちゃん!!」
アイリが言い終わる前に、真菜が声を上げて制止する。
真菜はアイリの両肩をグッと掴んで言い聞かせる。
「大丈夫。アイリちゃんのペンダントから、今もディア先生の強い愛を感じるから」
「……本当?」
「うん。私の能力を、ディア先生を信じて」
真菜の力強い言葉にアイリは頷く。
嘘でも偽りでもない。真菜には魔力を感じ取る能力がある。
ペンダントに込められた、ディアの愛という名の魔力を確かに感じ取っている。
そんな真菜が言うのだから、間違いない。
ディアを信じると言ったのに、信じられなくなっていたのは彼ではなく、自分自身。
強く、堂々と自信に満ち溢れたイリアを、今は羨ましく思う。
……今夜だけは、思いっきり泣こう。
……そうしたら、明日からは前を向こう。
アイリは心に誓って、真菜と共に静かな夜を過ごした。
静かになった暗闇の中で、しばらくすると真菜は気付いた。
……アイリが震えている事に。泣いているのだろう。
真菜は、震えるアイリを包み込むように抱きしめた。
「真菜ちゃん……ディア、帰ってくるかな……」
「アイリちゃん、大丈夫。大丈夫だから。絶対に帰ってくるよ」
それは根拠のない励ましではない。真菜には確信があって言っている。
今になって不安と悲しみに襲われたアイリは、流れる涙を止めることができない。
「エメラさんはディアと同じ魔獣だし、私よりも大人だし……勝てるかな……」
自分とエメラを比べてしまい、急に弱気な発言をするアイリ。
今、ここにイリアがいたら一喝していたに違いない。
そしてアイリが一番、恐れている不安を口にする。
「今ごろ、ディアは……エメラさんと夜を過ごして……」
「アイリちゃん!!」
アイリが言い終わる前に、真菜が声を上げて制止する。
真菜はアイリの両肩をグッと掴んで言い聞かせる。
「大丈夫。アイリちゃんのペンダントから、今もディア先生の強い愛を感じるから」
「……本当?」
「うん。私の能力を、ディア先生を信じて」
真菜の力強い言葉にアイリは頷く。
嘘でも偽りでもない。真菜には魔力を感じ取る能力がある。
ペンダントに込められた、ディアの愛という名の魔力を確かに感じ取っている。
そんな真菜が言うのだから、間違いない。
ディアを信じると言ったのに、信じられなくなっていたのは彼ではなく、自分自身。
強く、堂々と自信に満ち溢れたイリアを、今は羨ましく思う。
……今夜だけは、思いっきり泣こう。
……そうしたら、明日からは前を向こう。
アイリは心に誓って、真菜と共に静かな夜を過ごした。