年下わんこに耐えられない!
『やばい、超イケメンなんだけど〜』
『悠くんを生で見れるなんて最高!』

あの人が、佐藤悠さんか…確かにイケメンだ。笑顔が素敵だなー。

「大和くん、お茶出し頼むよ」

「はい、わかりました。」



コンコンッ

「失礼します。お茶をお持ちしました。」

「、、!?」

佐藤さん何で私の顔みて驚いてるんだろう。

まさか顔に何かついてる!?

恥ずい恥ずい恥ずい、早く立ち去らなければ!

彼の前にお茶を置いた時、、、



『かつき、、ちゃん?』



その声と共に彼と目が合う、、、、

「、、ハル、?」

何で気づかなかったんだろう、、、、

聞き覚えがある言葉と声、、、全て思い出した。


「うん、、ハルだよ、、、やっと会えた」

優しく笑う彼の顔が、昔の悠と面影がある。


私が高2の時



『、、ちゃん、、香月ちゃん!』

「あ、ごめんごめん何?」

人懐っこくて弟みたいに可愛い男の子。

「香月ちゃん、ここ分からないんだけど」

「えっとね、ここはね、、、、」

中1だった悠の家庭教師を1年間アルバイトしてた。

悠はまだあどけなさがあって笑顔が可愛い男の子だったけど

暗い顔になった日があった。

ガチャッ

「おかえり、ごめんお母さんに部屋に入ってていいって言われて、、、」

「悠?、、、」

悠はずっと下を向いていた。

「香月ちゃん、俺、、将来世界で活躍するモデルになりたいんだ、、、」

「香月ちゃんも叶わない夢だって、、、思ってる?」

悠の声が震えてる。

「ううん…叶わないとかそんなこと思わない。、、、」

「誰になんと言われても悠の将来の夢は悠だけのものだよ。私はどんな夢でも応援する!」

諦める選択をしてほしくなかった。
きっと後悔するから、、

あとで悠が持っていた雑誌を見たけど

ひどい悪口とビリビリに破られたページがあった。

「俺の夢、叶ったらかつきちゃんに1番に知らせるから」 

「だから、、、、待ってて、、香月ちゃん」

それが悠との最後の記憶だ。
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