異動する先輩から食事に誘われたら
「俺、異動になるじゃん。フロアが違うから、もう会わなくなるかもね」
「そうですね」
「それってなんか嫌だな、って思っちゃったんだよね」
え?
私は内心で驚きを隠せない。
「君さ、いつも嫌がらずに雑用を引き受けて真面目で一生懸命で、笑顔が素敵だな、って思ってて」
そんなこと思われてたなんて、思いもしなかった。
先輩が振り返り、目線が思い切りぶつかった。心臓がどきんと大きく脈打つ。
「良かったら、明日また会えない?」
「ごめんなさい」
私は謝った。
先輩が、はあっとため息をついた。
「ダメかあ。残念」
先輩が苦笑する。私は慌てて付け足した。
「明日は法事があるので。あさっての日曜か、次の土曜日なら空いてます」
先輩が目を丸くした。
「まじ? じゃあ両方予約!」
先輩がうれしそうに言う。
私の目はその笑顔に釘付けになった。
「次はきっと君を楽しませて見せるから」
親指を立ててニッと笑う先輩に、私は顔を赤くして頷いた。
終
「そうですね」
「それってなんか嫌だな、って思っちゃったんだよね」
え?
私は内心で驚きを隠せない。
「君さ、いつも嫌がらずに雑用を引き受けて真面目で一生懸命で、笑顔が素敵だな、って思ってて」
そんなこと思われてたなんて、思いもしなかった。
先輩が振り返り、目線が思い切りぶつかった。心臓がどきんと大きく脈打つ。
「良かったら、明日また会えない?」
「ごめんなさい」
私は謝った。
先輩が、はあっとため息をついた。
「ダメかあ。残念」
先輩が苦笑する。私は慌てて付け足した。
「明日は法事があるので。あさっての日曜か、次の土曜日なら空いてます」
先輩が目を丸くした。
「まじ? じゃあ両方予約!」
先輩がうれしそうに言う。
私の目はその笑顔に釘付けになった。
「次はきっと君を楽しませて見せるから」
親指を立ててニッと笑う先輩に、私は顔を赤くして頷いた。
終