隣のクラスの無口イケメンが♡推し王子様系Vtuber♡だった ~ファンだった私がいつのまにか囲われて溺愛されてます~

第3話 身バレ

〇英華学園・屋上(夕)

夕焼けの街並み。

ゆき、玲央に壁に押し付けられている。

玲央「いったい何のつもり?」

ゆき、赤面。

ゆき、ふにゃふにゃとその場にへたれこんでしまう。

ゆき、赤面のまま見上げる。

ゆき「……やっぱりツキ様だ」

玲央「1日中つきまといやがって。何が狙いだ」

ゆき「狙いって」

玲央「やっぱり金か?いくら欲しいんだ」

ゆき、さらにふにゃふにゃとする。

ゆき「聞けば聞くほど本物……しかも生……」

玲央、呆れた顔をする。

玲央「なんだこいつ」

玲央、しゃがみ込んでゆきの顔を覗く。

玲央「答えろ。何が狙いだ」

ゆき「私はただ本当にツキ様か確かめたかっただけで」

玲央、立ち上がる。

玲央、ツキと同じ立ち絵のポーズ。

玲央「俺が真夜中ツキだ」

ゆき、さらにとろけた顔になる。

玲央「……どうしようもないな」

ゆき「私、絶対に誰にも言いません」

玲央「どうだか」

ゆき「誓います」

玲央「そんなの信用できるかよ」

ゆき「じゃあ、どうすれば」

玲央「……どうしようもないな」

玲央、扉の方へ歩いて行く。開けて出ていこうとする。

ゆき「あ、あの」

玲央「秘密だぞ」

玲央、ウィンクする。

ゆき「は、はい!!!」

玲央、立ち止まる。

玲央「そうだ」

玲央、ゆきに近づいてくる。

玲央「これ」

玲央、タオルを差し出す。

ゆき、受け取る。

玲央「ありがとう」

ゆき、さらにとろける。

玲央「あとさ」

ゆき、え?という表情。

〇ゆきの家(夜)

星空の下の街並み。

ベッドに上に散乱した服。

ゆき、腕組みをして悩んでいる。

ゆき「うーん」

ゆき、悩んでいたと思ったらニヨニヨしだす。

ゆきM「今日は天国だった~あんなに近くでツキ様の声が聴けるなんて~」

ゆき、顔を両手で押さえてニヨニヨ。

ばらっとした衣服。

ゆき、はっとしてまた衣服を掴んで選び始める。

ゆき、頭を抱える。

ゆき「どうしよう~~」

〇駅(昼)

繁華街。人で賑やか。

ゆき、私服で玲央を待っている。きれいなシルエットのワンピース。

ゆきM「今日は突然玲央君に誘われちゃった。何の用事かはわからないけど……もしかして、タオルのお礼かな~~」

ゆき、ニヤニヤしながら待っていると、足元に人影。

玲央「おう」

玲央、私服。黒モード系。

ゆき「おはよう。それで、今日はどこに……」

玲央「口止め」

玲央、悪い顔をしている。

ゆき「あ、あの、私、絶対に言わないので」

ゆきの頭の中に路地裏や人気のないところが頭に浮かぶ。

玲央「それは……」

〇電器屋(昼)

冷蔵庫。洗濯機。掃除機。パソコン。

玲央「ここ」

玲央、当然のような顔で入っていこうとする。

ゆき、立ち止まって困惑した表情。

ゆき「あ、あの」

玲央、顎でついてこいと示す。

パソコンのモニターやキーボードが並んでいる。

玲央「どれにするかな」

玲央、吟味を始める。

ゆき、置いてけぼり。

ゆき「本当にどうしたんですか」

玲央「口止め」

ゆき「全然つかめないんですけど……」

玲央、にやっと笑う。

玲央「あんたはうちに入ってもらう」
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