隣のクラスの無口イケメンが♡推し王子様系Vtuber♡だった ~ファンだった私がいつのまにか囲われて溺愛されてます~

第5話 お礼

〇繫華街・道(昼)

ゆき、立ち止まって玲央の背中を見ている。

ゆきM「何を考えているかわからないよ」

玲央、振り返る。

玲央、手招きをする。

玲央、ジェスチャーで店を指さしている。

指さした先にはまたカフェのような店。今度はモノトーンのモードな感じ。

ゆき、玲央の近づく。

玲央、ゆきの耳元で囁く。

玲央「次はここな」

ゆき、顔を赤くする。

ゆき「……っ、はい。ここも電器屋さんですか?」

玲央「おしゃれな電器屋がそう何個もあってたまるか」

玲央、顎でついてこいとジェスチャーする。

玲央、店に入る。

ゆき、玲央の後に続く。

〇モノトーンな喫茶店(昼)

からんころん。

店内はモノトーンな喫茶店。

クラシカルなコーヒーメーカー。

ショーケースには色とりどりのタルトやケーキ。

店員「いらっしゃいませ~」

玲央、スマホの画面を店員に見せる。

店員、スマホの画面をのぞき込んで頷く。

店員「ご予約ですね。お待ちしておりました」

店員、ゆきと玲央を奥に案内する。

個室。白い机。

店員「それではコースの方をお運びしてもいいですか?」

玲央、頷く。

店員、扉を閉める。

玲央、椅子に座ってふーっと伸びをする。

玲央、立ったままのゆきに身を乗り出す。

玲央「あ、食えないものとかないよな?」

ゆき「う、うん」

玲央「座れよ」

ゆき「ありがとう」

ゆき、玲央の向かいに座る。

ゆき「ここ、予約してたの?」

玲央、バツが悪そうにうつむく。

ゆきM「あれ、不機嫌になった?」

玲央、よく見ると顔が赤い。

ゆきM「照れてるだけ?」

玲央、決意したように顔をあげる。

玲央「これはタオルのお礼」

ゆき「買い出しだって言ってたのに?」

玲央「それは、その、ほら」

玲央、手を口元にやって照れ隠し。

玲央「もういいだろ。お礼だって言ってんだから」

ゆき、可笑しそうに笑う。

扉がノックされる。

ゆき「はい!」

玲央、ゆきに軽く頭をさげる。

ゆき、いいよという顔。

店員、扉をあけて入ってくる。

ゆき「わ~~~」

ゆき、きらきらした表情。

机の上にはアフタヌーンティーが並ぶ。

3段のケーキスタンドにケーキやタルトが可愛らしく乗っている。

ゆき「すごい、すごい!」

玲央、嬉しそうな顔で笑っている。

ゆき「これ!食べていいの?」

玲央「お礼だって言ったろ」

ゆき、もりもり食べる。

ゆき「おいしい~~」

ゆき、きらきらした表情で食べている。

玲央、紅茶を飲んでいる。

〇駅前(夕)

人混み。

ゆき、玲央、並んで歩いている。

ゆき、伸びをする。

ゆき「おいしかった~~」

ゆき、満足げな表情。

ゆき、振り返る。

ゆき「今日は本当にありがとう」

玲央、頷く。

ゆき、笑顔で前を向こうとする。

玲央、ゆきの腕を引っ張って耳元で囁く。

玲央「明日、ハウスに来い」

ゆき「ハウス??」

玲央、離れる。

玲央、スマホを取り出して振る。

ゆき、つられてスマホを取り出す。

いつの間にか連絡先を交換している。

玲央のアイコンは星空。

ゆきのアイコンは兎。

ピコン。

スマホに通知。

玲央アイコン「家の住所。○○区△△町××ー×」

玲央アイコン「放課後、ここに集合」

ゆき「え、え」

玲央、悪戯っぽく笑う。
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