赤いチューリップ~1~
柔らかいという言葉が思いっきり不似合いな私には地獄みたい。
「ほーら平野。お前いっつも固いんだからなー」
そんな先生の言葉に皆が反応して視線は私に。
“すね”くらいまでしか伸びてない手を見て笑われる。
「先生のばーか」
小声で呟いたつもりだったけど、たぶん先生には聞こえた。
だって、眉がピクッて動いたんだもん。
「じゃあ次ー」
その言葉で私は解放されたように大きく息をついた。
「足開いて前に伸びる」