赤いチューリップ~1~
「紫・・・・・」
「何??晴樹」
両手を大きく広げる晴樹はまだ子供みたいで可愛い。
私・・抱きついてもいいの?
晴樹は少し目を細くして微笑んだ。
そうして、私は晴樹の大きな胸へと飛び込む。
「会いたかった。ずっと」
「晴樹・・・」
すぐ横でちょっと寂しそうに晴樹が呟いた。
午前10時の体育準備室。
聞こえるのは時計の秒針の音と2人の鼓動。
でも今だけは
時計の秒針の音は聞こえない。