赤いチューリップ~1~

「晴樹・・・」

もう一度私は囁く。

ああ、晴樹とまた話せるんだ。



そう思うだけで涙が頬を伝ってくよ。





「先生・・・?」

その言葉に先生はぴくっと反応する。

何で私がいきなり“先生”って呼び出したのか分からず私から身を離した。






「彼女・・・・・・・いるの・・・?」


「・・・・それは生徒として平野を見たときに?」


先生は私の目を見つめたまま続ける。



「それとも・・・・・・平野紫として見たときに?」





その言葉の意味がよく分からず、私は小首をかしげる。

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