正反対の彼と私の24年を経た恋の結末
1.不思議な世界、これは異世界転生?それとも私の夢?
「ユーリ皇子殿下、私を婚約者指名などしたら皇帝になれなくなってしまいます。私は奴隷ですよ」
マリーナ・リラはリラ王国の第二王女として生まれた。
マリーナが13歳の時にリラ王国は、ハゼ帝国に侵略された。
王城を攻め込まれて、絶体絶命の時に私はマリーナに憑依した。
おそらく「生きたい」と強く願うマリーナの心が私をこの体に呼んだ。
「安心しろ、俺は皇帝になる。それよりも、今一番俺がしたいことはお前の夢を全て叶えることだ!愛している。マリーナ」
目の前で私に愛を語る18歳になる美しき帝国の皇子は、ユーリ・ハゼだ。
彼がリラ王国を攻め落とした張本人である。
私は、日本で金属加工の工場に契約社員として勤める40歳の岩田まりなだ。
工場勤めと両親の介護疲れで眠りについたら、この世界にいた。
「そのようなことを言っていると、ユーリ皇子は幼女が好きな変態だと思われてしまいます」
「俺は幼女が好きなんじゃない、マリーナが好きなんだ。しかも、君は40歳だと言っていたじゃないか。もしかして、あれは俺から逃げるための言い訳か?」
ユーリ皇子は呪いにより体を蝕まれていた。
リラ王国は魔術師がいる国で、攻めてきた帝国のユーリ皇子に一矢報いるため呪いをかけた。
皆が最初は呪いがうつるのを怖がり彼のことを避けた。
しかし、私はその呪いが人にうつらないことを知っていた。
この世界は私が書いた物語にとても似たものだ。
私には3つの夢があった。
作家になることは、私が教師になる夢を断念してから生まれた夢だった。
でも、険しい日常に忙殺され想像力を失い物語が書けなくなっていた。
いつしか私が書く物語はいつもどこかで見たような設定になっていった。
純文学が好きだったのに、いつの間にか日常を忘れられさせてくれる異世界が舞台の物語ばかり好むようになった。
「ユーリ皇子、今からあなたの運命の相手である聖女エマ・ピラルクが来ます。一目で恋に落ちますから、私を婚約者指名したいなどという冗談は言わないでくださいね」
ユーリ皇子は5年間呪いに苦しむ予定だった。
私はその呪いを聖女が解けることを知っていた。
だから、皇子殿下の運命の相手である聖女の存在を探すことになるのだが、聖女エマとユーリ皇子が出会う前に呪いは解けてしまった。
ユーリ皇子は私の憧れの人をモデルにした。
そして、恵麻は私が22年間付き合った婚約者を奪った昔からの親友がモデルだ。
ちなみにピラルクは私の好きな淡水魚からとった名前だ。
彼女を憎みたくない、でも彼女と友達でいるのは難しい。
(恵麻が好きだったのは私の婚約者ではないのに、何で私から奪ったの?)
私が39歳の時、22年間付き合った私と結婚寸前だった婚約者を彼女は奪った。
私は悔しさと虚しさに打ちひしがれた。
彼女を許さなければと必死に思いながら書いたのが、この『救いの聖女』という小説だ。
17歳の時から22年付き合った伊藤誠一は優柔不断で、結婚をなかなか決断してくれなかった。
そして、子供を望めるかわからない40歳手前まで待たされた。
やっとプロポーズされ、彼と結婚できると安心していた。
マリーナ・リラはリラ王国の第二王女として生まれた。
マリーナが13歳の時にリラ王国は、ハゼ帝国に侵略された。
王城を攻め込まれて、絶体絶命の時に私はマリーナに憑依した。
おそらく「生きたい」と強く願うマリーナの心が私をこの体に呼んだ。
「安心しろ、俺は皇帝になる。それよりも、今一番俺がしたいことはお前の夢を全て叶えることだ!愛している。マリーナ」
目の前で私に愛を語る18歳になる美しき帝国の皇子は、ユーリ・ハゼだ。
彼がリラ王国を攻め落とした張本人である。
私は、日本で金属加工の工場に契約社員として勤める40歳の岩田まりなだ。
工場勤めと両親の介護疲れで眠りについたら、この世界にいた。
「そのようなことを言っていると、ユーリ皇子は幼女が好きな変態だと思われてしまいます」
「俺は幼女が好きなんじゃない、マリーナが好きなんだ。しかも、君は40歳だと言っていたじゃないか。もしかして、あれは俺から逃げるための言い訳か?」
ユーリ皇子は呪いにより体を蝕まれていた。
リラ王国は魔術師がいる国で、攻めてきた帝国のユーリ皇子に一矢報いるため呪いをかけた。
皆が最初は呪いがうつるのを怖がり彼のことを避けた。
しかし、私はその呪いが人にうつらないことを知っていた。
この世界は私が書いた物語にとても似たものだ。
私には3つの夢があった。
作家になることは、私が教師になる夢を断念してから生まれた夢だった。
でも、険しい日常に忙殺され想像力を失い物語が書けなくなっていた。
いつしか私が書く物語はいつもどこかで見たような設定になっていった。
純文学が好きだったのに、いつの間にか日常を忘れられさせてくれる異世界が舞台の物語ばかり好むようになった。
「ユーリ皇子、今からあなたの運命の相手である聖女エマ・ピラルクが来ます。一目で恋に落ちますから、私を婚約者指名したいなどという冗談は言わないでくださいね」
ユーリ皇子は5年間呪いに苦しむ予定だった。
私はその呪いを聖女が解けることを知っていた。
だから、皇子殿下の運命の相手である聖女の存在を探すことになるのだが、聖女エマとユーリ皇子が出会う前に呪いは解けてしまった。
ユーリ皇子は私の憧れの人をモデルにした。
そして、恵麻は私が22年間付き合った婚約者を奪った昔からの親友がモデルだ。
ちなみにピラルクは私の好きな淡水魚からとった名前だ。
彼女を憎みたくない、でも彼女と友達でいるのは難しい。
(恵麻が好きだったのは私の婚約者ではないのに、何で私から奪ったの?)
私が39歳の時、22年間付き合った私と結婚寸前だった婚約者を彼女は奪った。
私は悔しさと虚しさに打ちひしがれた。
彼女を許さなければと必死に思いながら書いたのが、この『救いの聖女』という小説だ。
17歳の時から22年付き合った伊藤誠一は優柔不断で、結婚をなかなか決断してくれなかった。
そして、子供を望めるかわからない40歳手前まで待たされた。
やっとプロポーズされ、彼と結婚できると安心していた。