東雲くんは【平凡】がわからない!
「あーあ、うちのクラスってほんとロクな男子いない。東雲もだけど、伊予(いよ)とかも最低だし」

「伊予、もうすぐ停学あけるよね。また問題起こすのかな。やだな」

『停学』。
物騒な響きにギョッとすると、それに気付いた柳さんが笑って説明してくれた。

「うちのクラスに、伊予 知尋(ちひろ)って男子いるの。コイツは東雲と違う方向でヤバい。いつも問題起こしててさ、夏休みに先生殴って今は停学だよ」

「な、なぐった?」

「そ、やばいよね。…若葉さん、東雲と伊予には注意しなよ。絶対近寄っちゃ駄目」

「………」

なんか……大変そうなクラスに転校してきちゃったかも。
そして伊予くんはともかく、東雲くんはまさに過去のわたしなわけで。
それを近寄っちゃ駄目と言われるのは、ちょっとばかり悲しくなる。

「あはは、若葉さん、めちゃ緊張してる!大丈夫大丈夫。何かあったらあたしたちに言いなよー」

「え?」

「まだまだわかんないこと多いっしょ?あたしら相談のるしさ、仲良くしよ!」

「柳さん…!」

仲良くしよ 仲良くしよ 仲良くしよ…!!
なんて嬉しい言葉。
これって友達ができたってことだよね。

浮かれたわたしは、今の今まで落ち込んでいたことなどすっかり忘れ去った。
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