東雲くんは【平凡】がわからない!
でもあの頃のわたしは本気だった。

その頃わたしは中学に入学して間もなかっただろうか。
中学一年生。多感な時期だ。そして、もうそろそろ(個人差はあるけれど)漫画などをフィクションと割り切り楽しむようになっていく年ごろだろう。

さて。
そんな中、わたしの行動は友人にどう写っていたでしょうか。

考えるまでもない。
むちゃくちゃにズブズブに……引かれていた。

なんたってノートに゙書くだけでなく、実際に呪文を唱えたり魔法陣を書いたりしていたんだから。
あと、おまじない効果のあるアクセサリーを身に着けたりね。あるあるだよね、あるあると言って!

……そんなこんなで小学生からの友人はだんだんよそよそしくなり、私は孤立していった。
はじめは気のせいかと思ったが、遠足のグループ決めで班に入れてもらえなかったとき、ハッキリと仲間はずれを自覚した。

そして決定的な瞬間。2年生になったばかりのころ。
仲が良かった友達が集まって、わたしの話をしているのを聞いてしまったのだ。


「見た?若葉のあれ。まだあんなのつけてんの(笑)」
「あー、魔術ブレスレットだっけ。つかさ、また変なの書いてたよね(笑)」
「まほーじん、だっけ。本当にやめて。一緒にいるの恥ずかしかったもん(笑)」


……え?
なにその全ての語尾についてる(笑)みたいなの。
私、もしかして馬鹿にされている?


ていうか、私…私……もしかして
───イタイ?

魔術書とか、呪文とか、魔法陣とか…好きなのおかしいのかな。

……いや、おかしいか。おかしいよね。
だって…きっと本当はそんなの存在しないし。その証拠に今まで一度も魔術成功したことないもん。

わかってたけど、それでも信じていたかった。

でも、中学生になってもそれはおかしいんだ。
いつまでも魔術だの魔法陣だの…

わたし…おかしいんだ。
つか、もしかしてこれって…こういうのって


中二病、っていうんじゃないの?


あああああああ!!
もう!もう!ここまでで回想終了!!
これ以上は私の心がもたない。
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