『人生 ラン♪ラン♪ラン♪』 ~妻と奏でるラヴソング~
大通りはスムーズに流れていた。
しかし一方通行の路地に入ると、
雨合羽を着て自転車に乗っている人やビニール傘を斜めにして足を速めている人たちが目立つようになり、
接触を避けるためか妻の運転が慎重になった。
でも、スピードを落としてくれたおかげで車窓から見える紫陽花をゆっくりと見ることができた。
雨に濡れて、とてもきれいだった。
駅へ向かうこの通りは今まさに満開で、
紫、青、水色、ピンク、赤、白、いろんな色の紫陽花がわたしを見送ってくれた。
いつもの始発電車に乗り込んだ。
いつものように弱冷房車に乗り、いつものようにドア近くの吊革を握った。
出発する時刻になると、いつものように混んできた。
次の駅に停車すると、若い女性が乗り込んできた。
リクルートスーツ姿だった。
就職活動中だろうか、
しきりにスマホで何かを確認していた。
今日の予定だろうか、
それとも、面接を受ける会社の概要を頭に叩き込んでいるのだろうか、
真剣な眼差しで瞬きもせずにスマホに見入っていた。
今年は人手不足の影響で売り手市場だという。
早くから内定をもらっている学生も多いらしい。
羨ましい話だ。
わたしが就職活動をした頃は外国発の超ド級の爆弾が炸裂するという信じられないことが起こっていた。
それによって深刻な景気後退に陥り、
就活生は見通しのまったく立たない真っ暗闇の中でもがくことを余儀なくされた。
目を瞑ると、当時のことが蘇ってきた。
しかし一方通行の路地に入ると、
雨合羽を着て自転車に乗っている人やビニール傘を斜めにして足を速めている人たちが目立つようになり、
接触を避けるためか妻の運転が慎重になった。
でも、スピードを落としてくれたおかげで車窓から見える紫陽花をゆっくりと見ることができた。
雨に濡れて、とてもきれいだった。
駅へ向かうこの通りは今まさに満開で、
紫、青、水色、ピンク、赤、白、いろんな色の紫陽花がわたしを見送ってくれた。
いつもの始発電車に乗り込んだ。
いつものように弱冷房車に乗り、いつものようにドア近くの吊革を握った。
出発する時刻になると、いつものように混んできた。
次の駅に停車すると、若い女性が乗り込んできた。
リクルートスーツ姿だった。
就職活動中だろうか、
しきりにスマホで何かを確認していた。
今日の予定だろうか、
それとも、面接を受ける会社の概要を頭に叩き込んでいるのだろうか、
真剣な眼差しで瞬きもせずにスマホに見入っていた。
今年は人手不足の影響で売り手市場だという。
早くから内定をもらっている学生も多いらしい。
羨ましい話だ。
わたしが就職活動をした頃は外国発の超ド級の爆弾が炸裂するという信じられないことが起こっていた。
それによって深刻な景気後退に陥り、
就活生は見通しのまったく立たない真っ暗闇の中でもがくことを余儀なくされた。
目を瞑ると、当時のことが蘇ってきた。