『人生 ラン♪ラン♪ラン♪』 ~妻と奏でるラヴソング~
 幸運なことに書類選考を通過し、一次面接の通知が届いた。
 わたしは小躍りして、その通知を何度も穴が開くほど読み返した。
 すると、ある決意が体の奥底から湧いてきて、居ても立っても居られなくなった。

 行きつけの床屋へ急いで行ってその決意を店主に伝えると、
 店主は「本当にいいんだね」と確認した。
 わたしが大きく頷くと、店主が持つハサミが、肩まであった長髪をバッサリと切った。
 その瞬間、髪と共にレコード会社への未練が床に落ちたような気がした。
 店主がバリカンに持ち替えた。
 あっという間に丸坊主になった。
 中学生以来だった。
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