【完結版】みっちゃんが愛したヒトは、結ばれてはいけないと思うヒトだった
”みっちゃん“も”定光“もしなかったような嘆きには、思わず笑ってしまった。
青君の姿だけではなく望ちゃんの姿も思い浮かべながら、笑った。


「望ちゃんからの依頼かもしれない。」


「望ちゃんの・・・?」


「”私ならイトコ同士とかそんなことよりも、どんなに綺麗で中身まで格好良くても、あそこまでヤリ◯ンの過去があるとそっちの方がドン引きするかもって望は言ってましたけど、お姉様はどうですか?”って青君から聞かれてたから。」


「・・・愛花、ドン引きしてる・・・?」


「ドン引きはしてないけど、仕方ないよなって思ってる・・・。
私は生まれ変わった姿も定光の彼女達に比べたら全然可愛くないから・・・。」


「そんなことないよ・・・。」


定光が“そんなことないよ”という言葉で、私のことを慰めてくれる。


「私は・・・私は、この人生では定光から彼女達のようには好きになって貰えることはないって思ってた。
だからもしもまた人間に生まれ変わることが出来たら、定光の1番近い女の子である従姉としてまた生まれたいって思ってて。」


“みっちゃん”のことを男の人として好きだと気付いた、“定光”が“パパになって一緒にいる”と約束をしてくれた日のことをまた思い浮かべる。


”やっぱり、定光がいいなぁ。”


クタクタでヘロヘロの頭で浮かんだそんな大バカな気持ちは、その後もずっと消えることがなかった。


だから、考えてしまっていた。


いつもいつも、考えてしまっていた。


「私は、次の人生でも定光の従姉として生まれて、そして可愛い女の子の姿で生まれ変わりたかった。
あのお姉ちゃん達がまた一緒だとしても、それでも定光が私にもキスやエッチをしてくれるくらい、可愛い女の子に生まれ変わりたいと思ってた。」


その気持ちを伝えてから、私も定光のことを抱き締める。


「私も・・・今考えると、きっと・・・きっと、定光が私にキスやエッチをしてくれていたら、言えていたと思う・・・。」


きっと、ずっと心の奥底で望んでいたであろう想いを、伝える。


「ずっと一緒にいて、定光・・・。
私、定光のことが大好きだから・・・。
他の女の子の所になんて行かないで、私とずっと一緒にいて・・・。」


きっと・・・きっと、定光が初めての彼女が出来たと伝えてきた時に言いたかった言葉を、今この口から伝えた。


昔よりは可愛くなれたくらいの私だけど、伝えた。


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