亀の愛は万年先まで
ソレはあまりにも大きくて・・・
あまりにも温かくて・・・
私は、分かった。
「遅くなってごめんな、亀。」
照之が迎えに来てくれたのだと分かった。
病気が治ったからこんなに大きくなって、照之が迎えにきてくれたのだと分かった。
こんなにも元気になった照之が迎えにきてくれた。
“良かった・・・。”
“やっぱり照之は死んでなんかいなかった・・・。”
“ご主人様が見付けてくれた男の人だもん・・・。”
“私のことを置いたまま、照之が逝ってしまうはずなんてなかった・・・。”
“私のことを迎えに来てくれた・・・。”
“照之がちゃんと迎えに来てくれた・・・。”
「あのね、照之・・・、可愛い赤ちゃんが生まれたんだよ。
照之にソックリの可愛い男の子が生まれたの。
撫でてあげて・・・名前は照和(てるかず)。
照之とご主人様の名前を1文字ずつ貰ったの。」
「・・・・可愛い赤ちゃんだな、亀。」
私の腕の中にいる私達の赤ちゃんのことを、照之の大きな大きな手でぎこちなく、でも優しく優しく撫でてくれた。
そして・・・
「今までよく頑張ったな、亀。
偉かったぞ、亀。」
赤ちゃんも一緒にまた私のことを抱き締め、昔のように私の頭も優しく撫でてくれた。
優しく優しく、撫でてくれた。
「照之の前ではまた・・・普通の女の子でいて良い・・・?
私・・・疲れちゃった・・・ちょっと、疲れちゃった・・・。」
「後は俺がやるから亀はもう普通の女の子になって大丈夫だ。
だからもう休め、ゆっくり休め。」
そう言ってベッドに寝かせてくれ、赤ちゃんのこともぎこちなく抱っこをしてくれた。
そんな照之の顔を見上げながら笑った。
「元気になっただけじゃなくて、大人になったね・・・。
凄く・・・大人な顔になったね・・・。」
「こっちの顔の方が好き?」
「うん、好き・・・。」
本当に嬉しそうに、何でか昔よりも照れた顔で笑う照之に、昔のように言う。
「愛してる・・・。」
「うん、俺も愛してるよ。」
昔よりも深く深く響くその言葉を、私に渡してくれた。
「起きたらまた頑張るから・・・。
まだまだ、頑張るから・・・。
私にはご主人様から貰った饅頭もあるから・・・。
まだまだ、ご主人様の為に頑張れるから・・・。」
目を閉じた私の頭を、大きな大きな手になった照之がまた優しく撫でてくれた。
私はまだ頑張れる・・・。
私はまだまだ頑張れる・・・。
ご主人様がくれた饅頭と、照之がくれた照和がいるから大丈夫・・・。
それにもう私だけではない。
照和、そして照和の子ども達が・・・
その子達が未来へときっと繋いでくれる。
大昔から続いている小関の“家”と加藤の“家”の愛の絆を、きっと万年先の未来へも繋いでくれる・・・。
『清掃員加藤望、社長の弱みを握りに来ました!』に続く······················
あまりにも温かくて・・・
私は、分かった。
「遅くなってごめんな、亀。」
照之が迎えに来てくれたのだと分かった。
病気が治ったからこんなに大きくなって、照之が迎えにきてくれたのだと分かった。
こんなにも元気になった照之が迎えにきてくれた。
“良かった・・・。”
“やっぱり照之は死んでなんかいなかった・・・。”
“ご主人様が見付けてくれた男の人だもん・・・。”
“私のことを置いたまま、照之が逝ってしまうはずなんてなかった・・・。”
“私のことを迎えに来てくれた・・・。”
“照之がちゃんと迎えに来てくれた・・・。”
「あのね、照之・・・、可愛い赤ちゃんが生まれたんだよ。
照之にソックリの可愛い男の子が生まれたの。
撫でてあげて・・・名前は照和(てるかず)。
照之とご主人様の名前を1文字ずつ貰ったの。」
「・・・・可愛い赤ちゃんだな、亀。」
私の腕の中にいる私達の赤ちゃんのことを、照之の大きな大きな手でぎこちなく、でも優しく優しく撫でてくれた。
そして・・・
「今までよく頑張ったな、亀。
偉かったぞ、亀。」
赤ちゃんも一緒にまた私のことを抱き締め、昔のように私の頭も優しく撫でてくれた。
優しく優しく、撫でてくれた。
「照之の前ではまた・・・普通の女の子でいて良い・・・?
私・・・疲れちゃった・・・ちょっと、疲れちゃった・・・。」
「後は俺がやるから亀はもう普通の女の子になって大丈夫だ。
だからもう休め、ゆっくり休め。」
そう言ってベッドに寝かせてくれ、赤ちゃんのこともぎこちなく抱っこをしてくれた。
そんな照之の顔を見上げながら笑った。
「元気になっただけじゃなくて、大人になったね・・・。
凄く・・・大人な顔になったね・・・。」
「こっちの顔の方が好き?」
「うん、好き・・・。」
本当に嬉しそうに、何でか昔よりも照れた顔で笑う照之に、昔のように言う。
「愛してる・・・。」
「うん、俺も愛してるよ。」
昔よりも深く深く響くその言葉を、私に渡してくれた。
「起きたらまた頑張るから・・・。
まだまだ、頑張るから・・・。
私にはご主人様から貰った饅頭もあるから・・・。
まだまだ、ご主人様の為に頑張れるから・・・。」
目を閉じた私の頭を、大きな大きな手になった照之がまた優しく撫でてくれた。
私はまだ頑張れる・・・。
私はまだまだ頑張れる・・・。
ご主人様がくれた饅頭と、照之がくれた照和がいるから大丈夫・・・。
それにもう私だけではない。
照和、そして照和の子ども達が・・・
その子達が未来へときっと繋いでくれる。
大昔から続いている小関の“家”と加藤の“家”の愛の絆を、きっと万年先の未来へも繋いでくれる・・・。
『清掃員加藤望、社長の弱みを握りに来ました!』に続く······················