自らを越えて

詩・雪の蝶

※次章「悪夢」に入る前に詩を2編ほどご披露しておきます。往時の村田君の心境をよく表していると思います。

「雪の蝶」
窓の外には雪が舞っている
その雪片ひとつひとつが白い蝶のよう
あるものはゆっくりと下に落ちて行き
あるものはひらひらと上へ舞い上って行く

教室では級友たちが皆
先生の言に聞き入っている
ぼくは…というと それを聞くでもなく
ただぼんやりと 机の上を眺めたり
窓の外の 雪の静けさを 聞いているだけ
そして級友である(?) 廻りの超人たちを
何の感情もなしに ただ意識しているだけ
皆と僕とは 毛筋一本ほどの関係もない

蝶たちが微笑みながら中を覗いて しかし僕を見ると 
今度は黙って
みんなよそへ離れてった…
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