自らを越えて

詩・空虚(うつろ)

「空虚(うつろ)」

実に静かだ
シーンとしている
葉っぱの殆ど落ちた木々が
黙って僕を見つめている
あたりには無機質な日の光が射している
時折り風が 数少ない木の葉をサワサワさせている
あとは何も聞こえない
目の前の木に蜘蛛が一匹巣を張っている
それさえ何かもの悲しい
一匹きりなのだから

おや?殆ど枯葉のような木の葉が 僕に何か云ってる 
「よく来てくれましたね」って そう云っている
不登校してやって来た お前と同類の この俺に。
空虚で、(だから)実に素敵な、ある晩秋の午後の日…

更に山の奥に分け入ると 金網があって
立ち入り禁止の立て看板
コーション! ここより南多摩米軍射撃場!
だそうだ。
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