君の甘い声で何回も好きと言って【マンガシナリオ正反対な2人】

第3話:らいぶはうす?

○学校にて

ガラッ
美桜のいる女子集団(4人組)に話しかける苑

苑「お、おはよう…!」

少し沈黙が流れる

美桜「…苑ちゃん、おはよ!!」
友だちたち「おはよ〜!!」

自分の席に戻る苑

苑(あいさつ、できた…!)

そんなことを考えている苑の近くに4人組がやってくる

友だち②「苑ちゃん、マイスタ入れたってホント!?」

苑「う…うん!入れたよ!美桜ちゃんにもらったスマホで!」

スマホを「じゃーん」と見せる苑

みんな「「おお~!!」」
友だち③「じゃあさ、マイスタ交換しよ!」

苑「え!いいんですか!

  ぜ、ぜひ…!」

マイスタの画面を見せる苑

友だち③「何これ!かわいい〜!」

苑「うちのシゲゾーです…!」

友だち①「かわいい〜!!」

美桜と目が合うと美桜は嬉しそうな様子

苑(美桜ちゃん、ありがとう…!)


○朝のHR前

そろそろHRが始まるので、
苑の席からみんながいなくなる。

隣の席の南雲 総(なぐも・そう)くんが苑に話しかける

南雲「髙橋さん、マイスタはじめたの?」

苑「は、はい…!」

苑(この方は……たしかとなりの席の…南雲くん!)

南雲「僕も最近始めたんだよね~
   
   けどあんまり使い方わからんけんさ……あっ!」

手で口をおさえ、驚いた様子の南雲くん

苑「…けん?」

南雲「実は…中学まで田舎に住んでたんだよね…

   やけん時々方言がでてしまうんよ…」

苑はキラキラした表情で南雲君の手をとる

苑「わかる…!わたしも高校がら東京にきて不安ばっかしで、田舎の友達や犬に会いてえなて毎日思てて…

  …はっ!」

方言丸出しにしてしまったことを恥じるように、苑が口を押さえる

苑「だから敬語にしてるんです…ゴニョゴニョ」

南雲「あははは……

   よかった、髙橋さんが同じクラスで」

苑「わたしも南雲くんがいてくれてよかった~」

南雲「あはは」

苑(すごい。

  なんでだろ?

  南雲くんって、田舎の友だちみたいに話してても緊張しない…

  よかった隣の席に南雲くんがいて…)

南雲「僕の田舎は、学校に犬が入ってくることがよくあったんだけど…」

苑「わたしの学校も!あとアヒルが邪魔で遅刻しそうになったりとか!

  それとそれと…」

汐音「おい、田舎女」

南雲くんと話が盛り上がっているところに汐音がやってくる

苑「は、はい…!」

汐音「こんど、これ来いよ」

苑にパンフレットが渡される。
そこには

「galaxy live(ギャラクシーライブ)」

と書かれている

苑「これは…」

美桜がぴょこっとやってくる

美桜「こんど汐音くんたちのバンドが出演するライブだって!

   みんなで一緒に行かない?」

苑(みんなで…)目をキラキラさせる

苑「行きます!!行かせていただきます!!」

立ち上がってガッツポーズをする苑

みんな「おお~」パチパチパチ

汐音「じゃあ、△日17時に出演するから来いよ。」

苑「は、はい…!」

苑(みんなと遊び…ライブ……


  東京の仲間入りって感じがします!!)



○ライブ当日・放課後

苑「ぐぬぬぬ…目に入りそうで怖いです…」

美桜たちグループにマスカラをされている苑

友だち②「いーいーのーー!こうしたら目力アップ!!ここまでが目よ!!」

「動くなっ」と頭を押さえつけられる苑
 
苑「うぐっ……」

友だち③「目は拡張するものだ!!どりゃあ〜〜!!」

アイラインをひく友だち③

苑「ひぇええ〜〜〜」

美桜「よし!髪の毛もやろう!」

友だち4人がかりでメイクに髪の毛にやってもらう苑

美桜「かんせい…

   やっぱり………

みんな「「かわいい〜!!!」」

メイクと髪の毛をしっかりやって可愛くなった苑

美桜「だよね!だよね!」

友だち②「絶対かわいいと思ってた!」

友だち③「こんな原石が田舎にいたとは…恐るべし。」

美桜「よし!これでライブハウスいこ!汐音くんびっくりするよ〜〜!!」

苑「なにゆえ汐音くん…」

みんな「ニヤニヤニヤ…」 

友だち④「汐音くん人気だからね!こうやって圧倒的顔面力で負け散らかしてやろう!」

苑(まけちらかし…?)

みんな「「よし、いくぞ〜!!お〜!!」」

苑「……ふふふ」

苑(こんなに面白いみんなと友だちになれて本当によかったです。)


○ライブハウス

友だち④「人多っ…!」
友だち③「Beam(汐音のバンド)のファンもいるのかな…?」

美桜「いい、苑。絶対はぐれちゃダメだよ!こんな人混みの中離れちゃったら絶対見つけられないから!」

苑「は、はひ…!」

会場全体「「きゃーーーー!!!」」

友だち②「きたっ!Beamだ〜!」

汐音「どうもBeamです!聞いてください…」

キラキラと輝きながら演奏しているBeamのみんな

苑(すごい…会場全体が盛り上がってる…


  ……汐音くん

  すごいなあ

  自分の言葉で自分の音楽を奏でていて。」

汐音「Beamでした!ありがとうございました!」

苑(ん?)

曲が終わり辺りを見渡すと、
気づけば周りに友だちがいなくなってる

苑(みんなどこに…?

  あ、いた…!)

美桜らしき人の後ろ姿が見えたのでそっちに進んでいく

苑「美桜ちゃん…!」

必死の思いで手を取ると、振り返ったら全くの別人だった。

苑「あ…す、すみません…!」

慌ててキョロキョロすると、少しだけ人だかりが落ち着いているところを見つける。

苑(とりあえず、あそこに避難しよ…


  ふ〜〜


  本当にすごい人…


  町内会でもこんなに集まらないよ…


  ここの人全員が汐音くんたちの曲を聞いているんだもんなあ…

  すごいなあ…」

そこに何やら悪そうな男2人組が近づく

男①「君1人?」

苑「今は1人になってしまいました…」

男②「え〜なんで〜ww じゃあお兄さんたちとちょっと遊ぶ?」

苑「いいえ、遊ばないです。今日は遊びできてないので」

男①「じゃあ今日は何しにきてんの?」

苑「強いて言えば…ベンキョーです。東京のベンキョー!」

男②「じゃあもう一個、勉強させてあげる。

   これ飲んでみな?おいしーよ」

苑(キラキラ…おいしそう…)

男②「大丈夫だよ〜これ”じゅーーす”だから」

苑「ほう…」

苑がそのグラスの液体を飲もうとしたところで
汐音が苑を片手で後ろから抱きしめ、グラスを奪う

汐音「お兄さん、ウチの子に手だなさいでくれる?」

周りは「あの人、さっきのBeamのボーカル…」と汐音に気づいている様子。

汐音「こんな田舎女じゃなくてもっと"かわいい"子にしな、おにーさん」

男①「は…?なんだよおま…」

汐音「このライブハウス出禁にすんぞ?それか“ピーーーーー”を“ピーーーー”して“ピーーーー”してやろうか?」

男たちはその汐音の発言を聞いて、逃げ帰る

汐音「お前、来い」

腕を引っ張られ楽屋に連れて行かれる苑。

汐音「おい田舎女」

苑「は、はい…」

汐音「高坂(美桜)たちは?」

苑「ちょっとはぐれてしまいまして…」

汐音は「はあ…」とため息をついて呆れた様子

汐音「お前バカ?」

苑「……え?」

汐音「あれ、酒。飲まされたら何されてたかわかんねぇぞ?」

苑「へ!?お酒…私未成年です!」

汐音「ああ、見るからに高校生だよなあ。それもわかってて飲ませようとしたんだろ、あいつら。」

苑「……」

汐音「あ〜っ!もうあいつら出禁だな。

   よし、もう帰るぞ。高坂たちには俺から言っとくから。

   もう俺の出番も終わったから。ちょっと準備するから待ってろ…」

汐音が帰る準備をしようとした瞬間、苑が倒れそうになる。
咄嗟に汐音が抱き抱える


汐音「お、おい…

   大丈夫かよ!?」

苑「…あ、うん。だいじょーぶ〜

  …あれ?シゲゾー大きくなったねえ〜」

苑がニヤニヤしながら○○の髪の毛をわしゃわしゃする

汐恩「お前、まさか…

   あの酒ひとくち飲んだのか?」

苑が寝そうになる。
汐音「めんどくせえ…」

○夜の帰り道

苑をおんぶして歩く汐音
苑「……シゲゾー帰りたいよ…」

汐音「………帰れば…いいだろ」

苑「……私の帰る場所、まだあるかなあ…。」

汐音「あるだろ、きっと。」

苑「ふふふ。ありがと〜〜。ニヤニヤ


  でもねえ~今日は楽しかったんだ〜

  汐音くんってね、いつもは意地悪だけど…

  歌ってるときはキラキラしててね、かっこいいんだ〜」

汐音「…」

苑「汐音くん、かっこいい…」

汐音「……そ、それならよかっ…」

苑「だからさあ〜シゲゾーもさあ〜

  とーきょーにおいでよ…zzZ」

汐音「…!……。こいつ、はあ〜〜」

大きなため息をつきながら少し屈む汐音
耳が少し赤くなってる
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