偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
***


 テオが逮捕されて数日後、留置所に面会に来た者がいた。
 テオは、(アルフレッド)義姉(リア)が来てくれたのかと、ワクワクしながら面会室へ入ったが、その顔を見るなり、つまらなそうな顔になる。

「……あんただったか」
「よう、久しぶりだな──テオドール」

 透明のパーティションの向こう側に現れたのは、カルステンだった。
 カルステンは、特にテオを咎めるわけでもなく、飄々とした態度で椅子に座る。
 テオもまた、気だるそうに椅子に座った。

「あの罠は、あんたの仕業だよね? 兄さんや姉さんに、あんな器用な事ができるはずがない」
「よくわかったなぁ! さすが兄弟!」

 カルステンは、膝を叩いて皮肉にも取れるような言葉を吐く。
 それがテオを苛立たせたが、お互い感情的になることはなかった。

「……何しにきたの?」

「俺は俺の、ケジメをつけに来ただけさ──」
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