偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
 そんな私の心配を払拭するかのように、ポポロム先生は笑顔でショッピングモールに連れて行ってくれた。

「わぁっ、かわいい水着がいっぱい」

 ショッピングモールの水着売り場には、様々な水着が売られていた。
 普段の買い物は先生と一緒に行ったりしているけど、自分自身のものを買うのは久しぶりで、ガラにもなく興奮してしまった。
 早速、自分のサイズの水着を手に取って見比べる。
 ビキニもワンピースもかわいい。

「良かったら、試着してみてくださいね」
「くすっ、先生がお店の人みたい」
「すみません、僕もつい、楽しくなってしまって」

 どうやら、私のテンションが先生にもうつってしまったようだ。
 水着を選んで試着室へ向かうと、後ろから先生も着いてくる。

「試着はしますけど、恥ずかしいので、先生は向こうに行っててください」
「えっ?」
「行っててくださいね?」
「はい……」

 にっこりと無言の圧をかけると、先生はしずしずと売り場の隅の方に移動した。


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