偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
 憎んでいるなら、もっと暴力をふるったり、乱暴な言葉を使うものと思っていたけど……。
 私で寂しさを紛らせてるだけ……?
 義兄の気持ちが、ますますわからなくなった。

 食事の下拵えをしていると、インターホンが鳴った。
 帰ってきた! と、私はパタパタと急ぎ足で玄関へ向かった。

「姉さん、ただいま」
「テオ、おかえりなさい」

 私たちは、再会を喜んで抱きしめあった。
 ああ、やっぱりテオの笑顔は癒されるー!

「テオ、おかえり」
「ただいま、兄さん」

 テオは、義兄にも笑顔で抱きついた。
 再会のハグも、私たちにとっては日常なのだ。


< 11 / 252 >

この作品をシェア

pagetop