偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
 先生はそのままうつ伏せで、私は膝を抱えて座ったまま日光浴をした。
 この時期の陽の光は、暑すぎずとても気持ちいい。
 15分が経ち、日焼け止めのクリームを手に取って塗り始めた。
 最初に腕、次に足、首、体の前面……と塗って、ハタと気がつく。
 お父様に背中を塗ってもらおうと思っていたのに、今朝はバタバタしていて忘れていた……。

 もう背中以外は塗ってしまったし、このままでは背中だけこんがり小麦色になってしまう。
 頑張れば塗れなくはないけれど、自分ではどうしても手が届かなくて、うまく塗れない部分もある。
 これは、もしかしなくても、先生にお願いするしか方法がないのでは?
 私が挙動不審になっているのに気づいたのか、ポポロム先生が顔を上げた。

「どうしました、リアさん?」
「あの……。すみません、背中だけお願いしていいですか!?」

 日焼け止めを差し出して、思い切って言った。

「えっ」
「今朝、お父様にお願いするのを忘れてて……」

 そう言うと、ポポロム先生は真剣な表情で日焼け止めを受け取ってくれた。
 
「そ、それじゃあ、失礼して……」
「はい、思いっきりやっちゃってください!」
「そんな、力まなくても……」

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