偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
 覚悟を決めて背筋を伸ばし、先生に背中を向けて座った。

 ぴと。
 クリームのひんやりした感触が背筋を走る。

「ひゃあぅ!?」
「えっ、す、すみません……!?」
「い、いえ、すみません……。思ってた以上に冷たくて」

 変な声出ちゃった、恥ずかしい……。

 でも……。

 ポポロム先生の手は、あったかいです……。
 丁寧に丁寧に、背中に日焼け止めを塗ってくれた。
 その手の温かさを心地よく感じていると、後ろからそっと抱き締められた。

「せ、先生……?」
「終わりました」
「いえ、あの……恥ずかしいです……。人目が……」
「周りはカップルばかりですよ。こちらの事なんて気にしていません」

 耳元で囁かれ、心臓が爆発しそうになる。
 カップルばかり……。ファミリー層も結構いたと思ったけれど、何となくこの辺りはカップルばかりのような気がする。何も気にせずに先生と二人でここへ来たけど、周りから見たら私たちもそういう風に見えるのかもしれない。

「リアさん。僕は、もう我慢できません」

 が、我慢!? 我慢って何!?
 ポポロム先生は、私の向きを変えて真っ直ぐに見つめてきた。

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