偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
***
数週間後──。
珍しく出掛けていた養父が帰ってきた。
神妙な面持ちで鞄から封筒を取り出し、私に書類を見せた。
「リア……。テオの措置入院が決まった」
「措置入院……ですか?」
「そうだ。聞いた事はあるだろう?」
「はい、なんとなくは……」
措置入院。
精神障害により自分や他人を傷つける恐れがあると診断された場合、国や自治体の権限により入院させることができる制度だ。
私もこれ以上のことは知らないが、テオが精神障害だったということを、重く受け止めた。
「ポポロムのいる病院だから、後は彼に任せよう。俺も、バックアップには入る」
「テオは……どんな様子なんですか?」
「心配しなくても大丈夫。素直に病院に行ってくれたよ」
「そうですか……」
あれからテオには会っていない。
面会にも許可がいるようだし、何より義兄がそれを許さなかった。
私は家族なのに、義姉なのに、何故会いに行ってはいけないのだろう……?
数週間後──。
珍しく出掛けていた養父が帰ってきた。
神妙な面持ちで鞄から封筒を取り出し、私に書類を見せた。
「リア……。テオの措置入院が決まった」
「措置入院……ですか?」
「そうだ。聞いた事はあるだろう?」
「はい、なんとなくは……」
措置入院。
精神障害により自分や他人を傷つける恐れがあると診断された場合、国や自治体の権限により入院させることができる制度だ。
私もこれ以上のことは知らないが、テオが精神障害だったということを、重く受け止めた。
「ポポロムのいる病院だから、後は彼に任せよう。俺も、バックアップには入る」
「テオは……どんな様子なんですか?」
「心配しなくても大丈夫。素直に病院に行ってくれたよ」
「そうですか……」
あれからテオには会っていない。
面会にも許可がいるようだし、何より義兄がそれを許さなかった。
私は家族なのに、義姉なのに、何故会いに行ってはいけないのだろう……?