偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
 この話、まだ続くのか……?
 もしかして、何か探りを入れに来ている可能性もある。
 絶対に悟られるわけにはいかない。

「いいんですか? 大切なお姉さんなんでしょう?」
「いいんですー。俺、姉さんには幸せになってもらいたいので」

 ものすごく笑顔で言われたので、僕もつい苛立ちが表に出てしまった。

「……壊したくせに」

「え?」
「いいえ、なんでもありません」

 慌てて笑顔を作った。
 いけないいけない。
 医者が私怨を挟んではいけませんよね。
 
「テオさん」
「はい?」
「そろそろ、本音で話しませんか?」
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