偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
「せ、先生……」
「あっ、すみません……」

 お互い照れながら俯いてしまった。
 向かいに座っている養父が、バサバサと音を立てながら新聞を読んでいる。
 もう、新聞くらい静かに読んでくれたらいいのに。

「先生、頬についてますよ」
「ああ、ありがとうございます」

 プチトマトの汁が頬についてしまったらしく、お手拭きで拭いてあげていると……。

「おまえら……」

 養父が、新聞を破ってしまいそうになりながら立ち上がった。

「親の前でイチャイチャイチャイチャするんじゃねぇーーーー!!!!」
「ご、ごめんなさーーい!!」


 
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