偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
「怒られちゃいましたね……」
「そうですね……」

 お互い苦笑しながら、玄関でポポロム先生を見送る。
 通勤用のカバンを手渡すと、先生はその手の甲にキスをしてきた。
 わ、わっ……!?

「また怒られますよ……?」
「今は(叔父さん)の前ではないので」

 そのまま、上目遣いで私を見てきた。
 先生って、先生って、こういうことしちゃう人だったんだ……。
 恥ずかしいけど、嬉しい。
 こんなに大事にされていいのかなって、疑問に思ってしまうほどに。

「帰ったらお話があります。少し遅くなるかもしれないので……寝ないで待っていてくれますか?」
「はい」


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