偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
「兄さんとは、どうなってるの?」

 ブフッ!
 耳元で囁くように言われ、私は、お茶を吹きかけた。

「ど、どうなってるって……?」

「やだなぁ。兄さんの気持ちは、とっくに気づいてるでしょー?
 何のために、俺がこの家を出たと思ってるの?」

「なっ……! テオ、そんなつもりでこの家を出たの!?」

「俺は、兄さんも姉さんも大好きだから。2人がうまくいってくれたら、俺も嬉しい」

 なん……っていい子なの、テオ!! 抱きしめて褒めてあげたい!!
 本当、お兄様もテオを見習ってほしいわ!!

 でも、どうしよう……テオに、お兄様の事を相談してみる……?
 私は、お兄様に愛されてるんじゃない……憎まれてるんだって。
 でも、テオはお兄様の事を尊敬している。
 下手に相談すると、幻滅させるかもしれない……。
 
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