偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜

21・取り戻した記憶 sideリア

「そ、そ、そ、それは、その! つまり、その!」

 話を統合すると、今後のために結ばれておきましょうって、そう聞こえてしまう。
 先生の部屋に呼ばれた時点で、ちょっと期待してはいたんですけれども! でも!
 焦って言葉が詰まってしまう私を、先生は穏やかな表情のままでじっと待っていてくれた。

「とてもありがたいのですが、先生! ロマンが足りません!」

 なんというか、まるで保健の授業のように聞いていたら流れで事務的に……という感覚だった。
 それでは寂しい。
 ワガママかもしれないけれど、ちゃんと気持ちが欲しい。
 
「そ、そうですね……。すみません、僕はなんか……理屈っぽくて」

 そう言ってポポロム先生は、立ち上がって笑顔で両腕を広げた。

「……リアさん、おいで」

< 135 / 252 >

この作品をシェア

pagetop