偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
「う……あ、あっ!」
「大丈夫ですか、リアさん?」
「せんせっ……これ、は……?」

 一つになっただけで意識が飛びそうだった。
 先生が言うには、ゴンドル族同士の共鳴のようなものらしかった。
 嘘でしょう? 同じ種族というだけでこんなに違うものなの?

 一瞬だけ義兄の顔がよぎり、すぐに振り払った。
 大丈夫、先生は優しくしてくれる。
 先生は私を愛してくれている。
 先生は、まっすぐに私を見て──。

「リアさん、大好きですよ」

 姉さん────
 姉さん 大好き────

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