偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
 兄さんの気持ち

 ……テオからは、そういう風に見えてるんだ。
 全然、そんなんじゃないのに……。

 私は、行き場のない気持ちをごまかすように、空になったカップを無意識にティースプーンでかき混ぜていた。

「どうしたの姉さん?」

「えっ、あ、なんでもない」

 ……やっぱり、相談するのはやめておこう。
 変に心配かけるのもよくないし。
 それに、テオに言うのは、なんだか恥ずかしい。


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