偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
「リアさん!?」
「いやぁっ!! やめて! やめてテオ……!!」
「リアさん、しっかりして! テオさんは、ここにはいません!!」

 誰かが、ぎゅっと抱きしめてくれた。

「せん、せい……?」
「大丈夫、大丈夫です……」

 涙でよく見えなかったが、先生がいる。
 ガウンをかけて抱き締めてくれた。
 テオじゃない。
 ああ、良かった……。

 ほっとしたのも束の間、いきなり吐き気に襲われた。
 喉の奥に酸っぱいものが込み上げ……
 私は、部屋を飛び出した。

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