偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
 部屋を出ると養父……いえ、叔父様と鉢合わせしてしまった。

「うおっ、リアちゃん!?」

 けれども、それどころではなくトイレに駆け込んだ。

 今までの出来事を一気に流し出すように吐く。
 身体中のものを全部吐き出したいほど、私の心身は汚れていた。
 涙さえ、それを浄化してはくれなかった。

「う……あぁ…………!!」

 テオ、お兄様、二人の姿を想う。
 思い出してしまった。
 あの日のことも、自分の正直な気持ちも。

 私は、どうしたらいいの……?

 全ての呪縛から解き放たれた今、自分で決めなければならないのだ。


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