偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜


 
「あの……お騒がせいたしました……。もう、大丈夫です」

 先生と共に部屋に戻って着替えた後、リビングでカルステンさん(叔父様)に報告した。
 すべて、思い出したことを。

「リアさん、無理しないでくださいね」
「はい、少しずつ、受け入れていきます」

 こんな時でも、先生は優しかった。

「いやー、それにしてもびっくりした。もしかしたらリアちゃんが懐妊したのかと……ごぅふっ!!」

 叔父様が独り言のように冗談っぽく言ったのを、先生が肘鉄を入れて制した。
 懐妊……可能性がないわけではなかった。
 でも、もうあれから何ヶ月も経っている。
 体調の変化はないし、それはないと断言できる。

「叔父様」
「うん?」

「あの……養父(ちち)と認識していたとはいえ、数々のご無礼を……」

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