偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
 *


「おはようございます……」
「おはようございます、リアさん」

 着替えてリビングに行くと、先生と叔父様はすでに朝食を終えてコーヒーを飲んでいた。
 いつもは私が朝食を作っているのに、おそらく気を遣ってくれたのだろう。

 お世話になっているのに申し訳ないと思いつつも、その気持ちを有難く思う事にした。
 しかし私自身はというと、あまり食欲がなかったのでキッチンでミルクだけ、覚悟と共に胃の中へ流し込んだ。

「先生、叔父様」
「どうしました、リアさん?」
「……テオに、会わせてください」
「えっ?」
「リアさん、正気ですか!?」

 ポポロム先生と叔父様は、顔を見合わせて驚いた。
 あの事件の事を思えば、当然の反応だろう。

 目を覚ました時、私は今、テオに対してどんな感情を持っているのかわからなかった。
 まるで、心の中にモヤがかかったように。
 テオに会えば、それがハッキリとするんじゃないかと思ったのだ。

「リアちゃん。それは、心の傷をさらに(えぐ)るようなものだ。それでも、君はテオ君に会いたいと……?」
「覚悟の上です」
「……わかりました。ただし、マジックミラー越しで見るだけです」

 
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