偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
ビリリ
1ページ、また1ページと笑顔で本を破っていく。
その光景が、とても異様に見えた。
──胸が締め付けられる。
あの時の事件と、どうしても重なってしまうのだ。
『テオドールさん、本は破らずに、大切に扱ってください』
天井にあるスピーカーから、職員らしき人の声が聞こえた。
「あはは、バレた」
テオは素直に手を止めた。
そしてすぐに、つまらなそうな顔になった。
1ページ、また1ページと笑顔で本を破っていく。
その光景が、とても異様に見えた。
──胸が締め付けられる。
あの時の事件と、どうしても重なってしまうのだ。
『テオドールさん、本は破らずに、大切に扱ってください』
天井にあるスピーカーから、職員らしき人の声が聞こえた。
「あはは、バレた」
テオは素直に手を止めた。
そしてすぐに、つまらなそうな顔になった。