偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
「とまあ、毎日こんな感じです……」

 ポポロム先生が、落ち着いた声で言った。
 医者として、至って冷静だった。

「まずは物を壊さないようにと、人や、人の物を勝手に触らないことからですね……。それ以外は、おとなしいです」

 その言葉を聞いて、私はマジックミラーに手をついて項垂れた。
 なぜこんな事になってしまったのかと、過ぎたことを考えても仕方がないのかもしれないけれど。
 何を思っても、何を考えても涙が溢れてくる。

 テオがした事は、決して許されることではない。
 でも私は、テオを憎む事ができない……!

 こんな事、お兄様に言ったら、また叱られそうだけど……。
 テオは、私の大切な義弟(おとうと)……。
 私はまた、兄弟3人で仲良く笑い合いたい……。

 それが、私の今の正直な気持ち。

 
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