偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
「先生……」
「……面会は終了です」
「先生、やっぱりテオには会えないんですか?」
「それはダメです。もう少し時間を置いてください」
「でも私……っ!」

 訴えようとしたところを、強引にキスで唇を塞がれた。
 これはあの現象じゃない──先生の意思だ。

 
「リアさん、お願いです。あなたの心はまだ完全に癒えてないはずです」
「そんなことは──」
「じゃあ、なぜまた泣いているんですか?」

 拭ったはずの涙が、また頬を伝っていた。
 この涙はきっと。
 私が本当の気持ちに気づいてしまったからだ。
 
「行きましょう、廊下で叔父さんが待ってます」


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