偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
 叔父様は、お兄様の症状をひとつひとつ丁寧に説明してくれた。
 あの行動すべてにテオが関与していたなんて、私は思ってもいなかった。
 もっと早く気づいて、お兄様を信用すべきだった。
 お兄様も、テオも、許されることではないのだけれど。
 それでも一緒にいたいと思う私も、きっと許されるべき存在ではないのだ。
 そう思うと、幾分か気持ちが楽になる。

「だけど、彼はもう大丈夫だと思う。時々病院にも来てもらっているし、薬も渡している。でも、リアちゃんが家に戻ると決めたのなら、今のはお節介だったかな?」

 真剣な表情だった叔父様は、最後にイタズラっぽく笑った。
 私もつられて笑みをこぼした。

「いいえ、滅相もないです」
「テオ君は任せて。いつかきっと、面会できる日が来る」
「ありがとう……ございます……」

 お兄様の事だけでなく、テオのことまで気にかけてくださってる。
 この方がお父様の友人で、本当に良かった。


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