偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
「…………」

 ……あれ? 私、今どこに……
 目の前で、テオが赤くなって固まっていた。

「ね、姉さん……?」

 し、しまったーーーー!! つい、いつものクセで!!
 だって‼︎ いつもお兄様にしてるから‼︎

「ご、ごめん…… 間違えちゃった……。や、やりなおそうか……?」

 私は、焦りながらもごまかすように言った。

「いや……いいよ……」

 ああ、お兄様がここにいなくて良かった! いたら、何を言われるか……と思った瞬間。
 視界の端に、義兄の姿が映った。
 いたーーーーーーーー!! いつの間に!?

「じゃ、じゃあ、またね! 来週も来るよ!」

 ああ、テオ、置いていかないでー!
 テオは、逃げるように家を出ていった。

「…………」

 数秒、沈黙が流れたかと思ったが、義兄はすぐに笑顔になり、

「リア」

 怖い!! 笑顔が怖い……!!

「あっ……」
 
 ぐい、と強く引っ張られた。
 そのまま、壁に押し付けられ……深い、深い、キスをされた────
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