偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
 慰めるように言ってくれた。
 お兄様は、元気づけてくれようとしただけなんだと思う。
 でも私は、その時のお兄様の言葉が嬉しすぎて、思い切って言ってしまった。

「もし……もし、誰もお嫁にもらってくれなかったら……お兄様が、もらってくれますか?」
「えっ……!?」
 
 お兄様は顔を赤くして、驚きながらも私をじっと見てくれた。
 ドキドキした。
 お兄様も、ドキドキしてくれているのかな……そう思った時、

「……ハッ、ダメだ!」

 急に、お兄様が険しい顔で言った。

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