偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
「え……?」
「リア、兄弟(きょうだい)では結婚できないんだ」
「そうなんですか……」

 お兄様が真剣な顔で言ったので本当の事なんだと、私はしゅんと肩を落とした。
 本当の兄妹じゃないから、結婚できるのかと思っていた。

「なになに? なんの話ーー?」

 私の後ろから、義弟のテオが無邪気な笑顔でやってきた。

「テオ、あのね……」

 私が、お兄様と結婚したいなって話していた事を言うと、テオは笑顔で抱きついてきた。

「僕も姉さんと結婚するーー」
「テオ、兄弟では結婚できないんだって……」
「そうなんだ……ざんねん」

 私もテオも、その時はお兄様の言葉を信じて「兄弟では結婚できない」とずっと思い込んでいた。
 でも年齢を重ねていくうちに、それは嘘だったと気づいた。
 あの時は、私を傷つけないような理由で断ったのだと、そう思っていた。
 でも、今思えば……。
 
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