偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
*
「リア」
お互いを感じた後、私がお兄様の懐に潜り込んでいると呟くように私の名を呼んだ。
「今まで、すまなかった……」
謝罪なんて。
お兄様は常に注意を払っていたのに。
「わた、私も……。あの時、お兄様の言葉を、信じられずに……」
反発ばかりしていた。
テオがあんな風になってしまうなんて、想像もしていなかったのだ。
「リア。俺の正直な気持ちを言う」
お兄様は、真っ直ぐに私を見つめた。
物心つく前から一緒にいる家族なのに、こんなに近くで真剣な表情をされると一層ドキドキする。
「俺は、正直まだ怖い。またいつテオがおまえを奪っていくかと思うと、触れる事もできない。抱きしめて守ってやることすら……」
お兄様の手が再び震えて、それを抑えるようにぐっと握り締めている。
「それでも……。それでも、おまえが望むなら……俺は今度こそ、テオと向き合おうと思う。そうする事で、おまえに触れられる日も来ると信じたい……」
「お兄様……っ。ありがとう……!」
その気持ちが嬉しくて涙が出る。
愛おしくてお兄様の背中に手を回し、胸に顔を埋めた。
私はとても欲張りで、きっと罪深い事を言っている。
罰が下らないように強くなろう。
そして二度とお兄様の手を離さないと、心に誓った。
「リア」
お互いを感じた後、私がお兄様の懐に潜り込んでいると呟くように私の名を呼んだ。
「今まで、すまなかった……」
謝罪なんて。
お兄様は常に注意を払っていたのに。
「わた、私も……。あの時、お兄様の言葉を、信じられずに……」
反発ばかりしていた。
テオがあんな風になってしまうなんて、想像もしていなかったのだ。
「リア。俺の正直な気持ちを言う」
お兄様は、真っ直ぐに私を見つめた。
物心つく前から一緒にいる家族なのに、こんなに近くで真剣な表情をされると一層ドキドキする。
「俺は、正直まだ怖い。またいつテオがおまえを奪っていくかと思うと、触れる事もできない。抱きしめて守ってやることすら……」
お兄様の手が再び震えて、それを抑えるようにぐっと握り締めている。
「それでも……。それでも、おまえが望むなら……俺は今度こそ、テオと向き合おうと思う。そうする事で、おまえに触れられる日も来ると信じたい……」
「お兄様……っ。ありがとう……!」
その気持ちが嬉しくて涙が出る。
愛おしくてお兄様の背中に手を回し、胸に顔を埋めた。
私はとても欲張りで、きっと罪深い事を言っている。
罰が下らないように強くなろう。
そして二度とお兄様の手を離さないと、心に誓った。