偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
 テオが納得してくれて、ホッとした。
 ハタから見れば、仲睦まじい兄弟に見えるのだろう。
 リアはテオの、この狂気にも似た内面に気づいていない。
 両親でさえ気づいているかどうかわからない。
 俺はこの時からリアを意識し始めていたが、テオの存在ですぐに蓋をしてしまった。

 俺が我慢すれば家族の平穏は保たれる。
 そう、思っていたのに。

 我慢など、ずっとできるはずがなかったんだ。
 俺も、テオも。
 だからあんな事になってしまった。

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