偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜


 たくさん傷つけたのに。
 傷つけられたのに。
 目の前にいるリアは尚も俺に歩み寄ろうとする。
 
「私を憎む事でしか愛せないなら、それでもいいです。
 私は、すべてを受け止める覚悟で戻ってきました」

 愛せない。
 愛する事が怖い。
 また奪われることが、また傷つけてしまうのが、怖い。

 だから俺は、リアを突き放す事しかできなかった。
 
「ダメだ! ポポロム先生の家にお世話になる方が、おまえのためだ!」
「ポポロム先生とは、もう終わったんです!」

 本心であったはずなのに。
 リアの言葉を聞いて一瞬固まってしまった。

「…………ん?」
「……えっ?」

「ポポロム先生とは……  終 わ っ た ? 」

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