偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
「どうやら俺はとても……嫉妬深いようだ……」

 今の俺は、どんな顔をしているだろうか?
 きっと情けない顔をしているだろう。
 そんな俺を見て、リアは「ふふっ」と笑った。
 しかしその笑顔は、すぐ涙に変わる。

「なっ……。俺はまた、おまえを傷つけてしまったのか……?」

 ちゃんと言わなければ想いは通じない。
 今度こそリアの気持ちを聞かなければ。
 リアは、涙を浮かべながら首を横に振った。

「嬉しいんです……。初めて、お兄様に言われました……。『愛してやる』だなんて……」
「い、言ったか……?」
「言いましたよ! もう、録音しておけば良かった……!」
「それは、やめてくれ……」

 二人で苦笑しながら、横になってベッドの上で抱きしめ合う。
 しかし、しばらくして手が震え出した。
 せっかく気持ちが通じ合ったのに、触れる事もできないとは……。
 
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