偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
 誰の監視の目もなく、友人たちと出かけられる日が来るなんて。
 ああ、でもお兄様はやっぱり心配性で、GPSは靴に仕込まれたままなのだけれど。
 でも必要以上に干渉しない事と、本当に差別緩和が実現したら外してもらう約束はしたので、その辺りは一歩前進したと思える。

「お待たせしましたー」

 目の前に置かれた三段重ねのパンケーキを見て、私は心を踊らせた。
 トッピングに色とりどりのフルーツと生クリーム。皿の上は煌びやかな別世界だ。
 一口サイズに切り、重ねたままの形をフォークに突き刺す。
 大口を開けて生クリームと共に頬張る。
 いつもだったら絶対にしない食べ方だけど、今日は特別!

「お、いい食いっぷり」

 とジェシーがスマホを向けて写真を撮った。

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